不動産鑑定

競売物件の不思議

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競売物件というのは、競売事件を繰り返すことがたまにあります。
同じ所有者が、何度も競売申し立て・取り下げを繰り返しているという物もありますが、同じ物件が、一度第三者に落札され、その数年後にまた別の競売事件として申し立てられるということもあります。
これは、不動産登記の履歴を見ればわかりますが、長いこと地元でやっている我々は、住宅地図を見て「あれ、これは以前にも競売にかかってたなぁ。どうしちゃったのかな?」となるわけです。
こうした物件は、火事や自殺・殺人があったいわゆる事故物件とは異なります。事故物件については、売買の時には重要事項として説明しなければなりません。しかし、こうした物件は説明義務がありません。
なぜなら、登記事項証明書を見ればわかるからです。
建物の場合は、火事が起こっても、壊して建て替えてしまえば、火事を起こした建物は存在しなくなります。これは登記においても同じです。
最近は、自殺・殺人においても、その後一度人が住めば、もうスティグマ(嫌悪感)は無くなり、説明する義務が無くなるという考えからか、家賃をごく低廉にして、一度賃貸するというやり方をしている業者もあるようです。
一方土地の場合は、消滅することはありませんから、登記上の履歴としてずーっと残ります。わかりにくくするテクニックはありますが、それも100%ではありません。
では、このように何度も競売にかかるような物件は、「曰く付きの物件」という事にはならないのでしょうか?
これは先ほどの火事や自殺・殺人とは違うようです。
鑑定評価の面から言うと、事故物件については、売れにくいので、市場性減価をする必要が有りますが、このような物件については、あまり減価はしません。
どちらかというと、物件の瑕疵というよりは、使っている人間のオペレーションの問題ということが多いからです。
賃貸ビルやマンションは特にそうです。入居率が悪く、収入が上げられないために経営を失敗し、競売にかかってしまう訳ですが、やはり管理がしっかりしていないとか、募集方法が悪いとか、理由があります。
バブルの時に、勢いで建ててしまったものの、使いにくくて入居者が入らないビルもありますが、こういったものは最初から売れないので、逆に競売を繰り返すことはありません。
いずれにしても、競売を繰り返す物件は「何とかなるだろう」と思う人が何人もいるわけで、そのうち誰かが何とかするのでしょう。
一方、住宅に関しては使っている人のオペレーションが悪いという事はありません。むしろ所有者個人の事情という事になります。
それでも、時々競売を繰り返す物件というのがあります。
これについては、全く理由がわかりません。
何かスピリチュアルなものがあるのかも、と言われても答えようがありません。
「玄関が鬼門(北東)を向いていると邪気が入りやすく不幸が起こる」などと言いますが、競売物件を見ている限り、特に北東に玄関がある家が競売にかかりやすいということもありません。また、家相というのは有るのかもしれませんが、これも関連性について説明は出来ません。昔であれば、広い敷地に樹木や水路があったりして、それらの影響を受けることは有るかもしれませんが、現代のように上下水道が完備され、敷地内はコンクリートで覆われているようでは、そう言った気の影響は受けにくくなっているからだと思います。
ですから、残念ながら家相についてはアドバイスしようがないので、皆さんの判断次第ですね。
言えることは、「その不動産の履歴も気にしましょう」ということです。

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