不動産鑑定

土地の種類の判断

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またしても先日の新聞のニュースから。栃木県内某市での話です。
大規模分譲地のうち、分譲済みの土地を宅地、分譲されていない土地を開発前と同じ山林として、固定資産税を課税していたため、同じ分譲地内の土地で400倍の差があったというニュースがありました。
土地の種類のことを「地目」と呼びます。
不動産登記法第3条の分類だと「宅地」「山林」「原野」「田」「畑」「公衆用道路」「池沼」「用悪水路」「鉱泉地」「公園」「雑種地」等があります。
ですから、法務局で土地の登記事項証明書を取得すれば、上記のうちのいずれかの地目に分類されています。
しかしこれは、あくまでも登記上の話で、前記のように、山林を開発して分譲した場合、登記上の地目変更をしなければ、地目は前と変わりません。
ですから、現況は家が建っている宅地でも、登記(公簿)の地目は山林という事は珍しくありません。
一方、課税においての地目は現況です。ですから逆に登記地目が山林でも、課税は宅地でなされています。固定資産税の納付書を見れば、登記地目と現況地目の両方が記載されていますので、どちらで課税されているかが一目でわかります。
地目の現況の判断というのは、主にどういう用途で使われているかです。
家が建っていれば「宅地」ですし、水田であれば「田」ですし、野菜が耕作してあれば「畑」です。
難しいのは「山林」と「雑種地」の判断です。
山林は「耕作の方法によらないで竹木の生育する土地」と定義されています。
要は竹や木が生えていたら「山林」ということになります。
「原野」との違いは、生育しているのが竹木であるのか、雑草・灌木であるのかというところです。
難しいのは、竹や木が生えていると言っても、原生林のようなものもあるし、整備された杉・桧の林ということもあるし、平坦な土地に広葉樹が数本という場合もあります。
例えば昔からの広い農家住宅の庭に木がまとまって生えている場合(屋敷森)、山林になるのかというとそうではありません。
梅の木、梨の木などが生えている場合は、耕作になるので農地(畑)となります。
今回のニュースの場合、現況がどうなのかはわかりませんが、大規模分譲地の中の話で、建物を建てるための土地ですから、木が生い茂っているという事は無いと思われます。ですから宅地並の扱いとしてしかるべきでしょう。
結局市の方は、宅地並に合わせたという事ですから、適正な形になったということですね。
しかし、「宅地」については不動産登記法上では「建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地」という定義があります。現況建物が建っていない土地でも、「宅地」としてしまって良いんでしょうか?
これが、不動産鑑定評価基準だと、「宅地地域のうちにある土地」ということになります。つまり、周りの主な用途(標準的使用という)が宅地である地域に有れば、地目認定も宅地という事になるのです。
一方、裁判所の執行官は、不動産登記法の見方を優先し、分譲地内にあっても建物が無ければ「雑種地」としています。ですから、このニュースのような場合、競売にかかったら、現況は「雑種地」とされてしまうでしょう。
雑種地とは、不動産登記法第3条で挙げられている地目のどれにも該当しない土地をいいます。一般には「雑地」とも言ったりしますね。
駐車場や、資材置き場などを「雑種地」とすることが多いようですが、「それ以外の土地」ということで広く使われています。
家庭菜園は、家の土地の1角にあるなら宅地となりますが、独立してある場合、農家による耕作ではないので、雑種地となるのが妥当だと思います。
雑種地の場合、法的にも宅地に転用しやすく(例えば農地であれば、農地法の転用許可が必要)、地盤においても、ある程度整地されており、宅地化が容易であることから、鑑定評価としては宅地に近い価格となります。例えば、砂利敷きの駐車場は、現況が雑種地であっても、価格としては宅地です。
しかし、たとえ隣同士でも、宅地と雑種地で大きく価格が異なることがあります。
それは、市街化調整区域の場合です。
市街化調整区域は、原則建物が建てられません。昔から家が建っていた(線引前宅地・既存宅地)とか、開発許可を取得したものでないと、宅地とはならないのです。
建物が建たない土地は、用途が制限されますから、当然価値が低くなります。ですから隣り合った土地であっても、建物が建てられる土地(宅地)と、建てられない更地(雑種地)は大きく値段が異なることとなります。
なお、登記上の地目が「宅地」であっても、必ずしも建物が建てられるとは限りません。市街化調整区域内の土地の評価については、十分な調査が必要となります。

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