不動産鑑定

賃貸物件で、貸し主(オーナー)が倒産(破産)しちゃったら?

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前回の続きです。
貸し主が破産した場合、借りている方はどうなるのでしょう。
これは物件によって違いますし、どういう経緯をたどるかによっても変わってきます。
もしオーナーが破産する前に、誰かに土地建物を任意で売却出来た場合、通常であれば住み続けることができ、敷金も戻ってくるケースが多いです。
よかったですね。
しかし破産してしまったり、また法的に破産しないまでも、金融機関から不動産競売にかけられてしまう場合もあります。
まず、「競売に掛けられた」つまり競売申し立てが裁判所に起こされた、と言っても、すぐに出て行かなければならないわけではありません。申し立てがされてから、現況調査や評価が行われ、それを裁判官が吟味して入札に出すまでの期間は、そのまま住み続けることができます。その期間は物件によって異なり、マンションの1室だと早いですし、何十戸もあるようなマンション1棟まるまるだと当然時間がかかります。早ければ3ヶ月程度。長いと1年くらいかかる場合もあります。
そして、競売で誰かが落札した後、住み続けられるのか?これは抵当権の設定が登記された日と、入居した日のどちらが早いかで変わってきます。ここでのポイントは、抵当権を設定する原因となった日(借入をした日)ではなく、抵当権の設定について登記した日であるというところです。なぜなら、お金を借りた証文(金銭消費貸借契約書)は、私文書なので、日付けを遡って作ることもできますが、登記日は遡ることが出来ないからです。
一方、入居した日は賃貸借契約書の日付けで確認します。これは私文書ですが、通常賃貸借契約書は2通作成して、貸し主・借り主の両方でもっているのが普通であり、場合によっては仲介した不動産業者も持っている場合があります。これらを照合して一致すれば、利益が反する両者の資料が一致したことになり、間違いないという判断が出来ます。
そこでもし、抵当権が登記された日より入居日の方が早いとなれば、借りている方が保護されます。したがって、次の更新までは安心して住むことが出来、また敷金も返ってきます。
しかし抵当権設定の方が早い場合、貸し主から「出て行ってくれ」と言われたら、一定期間(通常は6ヶ月)以内に退去しなければなりません。この場合、敷金も返ってきません。まあ通常は建物新築と同時に抵当権を設定するので、このケースがほとんどです。
但し賃貸物件の場合は、競売で買う方も収益物件、つまり賃貸して家賃収入を得る目的で購入するので、住み続けられる可能性が高いと思われます。敷金も場合によっては返してくれるかもしれません。
問題は、建物が老朽化していて、これ以上賃貸物件として維持するのが困難あるいは危険である場合や、周りと比べて低利用で、もっと高度利用した方が良いような物件の場合は、退去するように言われるかもしれません。もしそう言われたら、ゴネても何しても無駄です。昔は不法占拠を続ける輩も居たようですが、今は民事執行法が変わってしまい、強制執行をされたら、どうにもなりません。
ちょっと厳しい話になってしまいました。
じゃあ、どうしたらそういう物件に当たらなくて済むのか?
またまた次回に続きます。

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