不動産鑑定

日本が西に傾いた。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

先日平成24年地価公示が発表になりました。
不動産鑑定士の仕事で、公的に発表されるものの一つです。もう一つは9月に発表される地価調査。これらは不動産鑑定士が評価したそのままの価格が発表になります。
当然、作業した本人達は、価格がいくらになるのか知っていますが、それも自分の担当エリアと、その周辺だけです。周辺エリアの価格を知っているのは、面的な価格バランスをとるためです。
公示価格が発表されたら、地域の要因があまり変わらない隣接市町村で下落率が大きく違ったらおかしいですし、価格の逆転現象が起こっても説明に窮するからです。
栃木県内は、昨年より下落幅が大きくなりました。これは言わずもがな、東日本大震災の影響です。
地震が発生した直後は、先行きが見えず、取引は停止状態だったようです。
被害の状況が明らかになってくると、被害が大きかった地域は大きく下落。
特に放射能の影響もあって、東京圏からの買い控えが響いたせいか、県北の地域の取引数は激減し、価格下落の要因となりました。
観光地も入り込み客数が大幅減で、これも地価下落の要因となりました。
幸い水害は無かったものの、リーマンショック以降ようやく回復が見えてきたところに、大打撃です。
宮城県石巻市では高台移転需要ということで、全国1位の60%の価格上昇があったようですが、もともとの価格水準が14,000円/㎡と低いので、金額の上昇に対してパーセンテージが高くなったに過ぎません。
それは、2位が同じ石巻市で、今回の公示価格が1位のところとほぼ同水準であるのに、前年価格が17,800円/㎡とやや高かったため、上昇率は30%弱だったことを見ればわかります。
宮城県の特殊な事例を除いては、首都圏を含めて、東日本は軒並み下落幅が拡大しています。
一方、名古屋圏、博多圏など西日本では価格の上昇地点が見られます。
実はこれは自分も発表されるまで知りませんでした。
上昇した理由は、資料を見て頂ければわかるのですが、日本全体の要因として、大地震、水害、円高株安などで痛めつけられっぱなしで、良いところは無いと思っていたので、正直意外でした。
例えば区画整理事業が完成して、ピンポイントで地域が良くなったというのならわかるのですが、もっと広い範囲で上昇しています。
もっとも、上昇地点があったのは都市圏が中心で、山陰、南紀、四国南部などの田舎(あえてそう呼ばせて頂く)の方では下落が続いています。
それでも下落は横ばいか、縮小傾向にあるようです。
ということは、日本の不動産としての資産価値が、全体的に西の方が大きく(高く)なったと言えます。それでタイトルで「日本が西に傾いた」と表現したのです。
こうして地価公示を眺めていると、ざっくりとした切り方ではありますが、何となく東日本から西日本へとヒト・モノ・カネが動いてしまったように感じるのは気のせいでしょうか?
にほんブログ村 士業ブログ 不動産鑑定士へ
にほんブログ村

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

広告