不動産鑑定

地下にごみが埋まっていた場合、土地の評価は下がる?

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大阪の学校法人が相場の10分の1で国有地を取得していたことで問題になっているようです。

yahooニュース:森友学園「国有地9割引き疑惑」

記事の切り口としては、取得した学校法人の名誉校長が安倍首相夫人だったので裏取引が疑われているということです。

財務省の説明では、売却した土地の地下に家庭ごみが埋まっていて、その撤去費用に8億円かかったのでその分を値引きしたのだそうです。結果的に9割引きになってしまった。8億円という金額だけ聞くと、とても大きく感じますが、それが高いのか安いのかは別問題です。

それと周辺の標準的な地価と比べて9割引きと言っていますが、対象地は8770㎡と大きいので、単純に標準的な地価と比較していいのか、実際に鑑定評価をしたらいくらになるのか、つまりスタートの価格がいくらになるのか疑義がありますが、ここでは省略します。

問題はごみの撤去・処分費用です。

これは、土壌汚染の浄化費用と同じようなものと考えられます。作業としては、まず地中の汚染物やごみなどを撤去するのですが、それだけでは穴が開いた状態になるだけなので、当然埋め戻しもしなければなりません。そうするとその分も費用が掛かります。

私が土壌汚染の浄化費用として使う標準的な単価は1㎥(立方メートル)あたり5万円です。1㎡(平方メートル)の土地について、1mの深さまで土を入れ替えると5万円かかるということです。単価だけ見るとかなり高い感じがしますが、実際に携わった人の話を聞いても、妥当な金額です。この数値は、環境省の報道資料などでも工事対策費用の例として示されています。

環境省報道資料

しかも、標準的な数値であり、処分場までの距離や処分するものの内容、道路付け(大型トラックが入っていける場所か)によって変わってきます。家庭ごみなどであれば、更に分別費用がかかる可能性がありますから、更に高いかもしれません。

このケースの場合、8770㎡に対して8億円だと、1㎡あたり91,220円。土壌汚染浄化の標準的な費用で計算すると、全部の土地について約1.8mの深さまでごみを撤去したことになります。もちろん、土地の全部に埋まっていたわけではないでしょうし、上述のようにもっと費用は高かった可能性がありますし、埋まっていた量(深さ)まではわからないので明言はできませんが、こういった計算をすると、8億円というのはそんなに高すぎる金額ではないような気がします。

まあこういったニュースは、この事件を政治家の圧力と結びつけて考える方がワイドショー受けしやすいから、「9割引き」とか、「8億円」とか、刺激的な数字を出したのでしょうけれど、そうしたテレビ番組に出てくる「専門家」と言われる人たちの意見を聞いてみたいです。もっとも、肯定的な意見を言う専門家はテレビに出してもらえないかもしれませんけれど。

 

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