不動産運営

土地持ち貧乏にならないために③

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今回は郡部の土地持ち貧乏になる人の話です。郡部はいわゆる田舎の事で、土地の需要は低い地域です。

そこで土地持ち貧乏になるのは、相続で土地をもらったケースが多いのです。

 

典型的なケースを挙げてみます。

 

周りの農地に囲まれた農家。年取ったおばあちゃんが一人で田んぼ、畑をやっています。長男夫婦と同居していますが、長男は働きに出ており、週末に農業を手伝う程度。二男と長女は既に家を出て、それぞれに家庭を持っています。

おばあちゃんは、ふとした怪我で入院し、そのまま介護施設に預けられてしまいました。

施設の費用は、おばあちゃんの年金だけでは到底間に合わず、自分もそれほど稼ぎのない長男は、おばあちゃんの預金から不足分を出していました。

そして、おばあちゃんが死亡。

預金が底をつく前に、おばあちゃんが亡くなって、長男は実はほっとしていました。

葬儀費用は、集まった香典で何とか足りました。

そして四十九日が終わった夜、二男が切り出しました。

「ちょっと気が早いといわれるかもしれないが、遺産を分ける相談をしたい」

遺産といったって、現金は介護施設に使ってしまって、ほとんど残っていない。あとはこの屋敷と周りの畑や山だが、価値があるものではないと思う。

「いや、自分で計算してみたんだが、土地建物の評価額は全部で6,000万円位になる。法定相続分だとうちの兄弟は3人だから、一人2,000万円だ。それと、基礎控除は4,800万円。だから、相続税も払わないといけない。まあ、自分の税金は自分で払うから大丈夫だ。

まず、兄貴はこの家に住んで、農家もやっていたんだから、土地や建物は全部兄貴がもらえばいい。俺たちは相当分を現金でもらえばいいよ。」

そんなこと言ったって、相続財産に現金はほとんど無いんだ。不動産の中から2,000万円分をわけろと言ったってどうすればいいんだ?

「それは、兄貴が銀行から借りるとか何かして工面してもらうしかないな。俺たちは法律で1/3もらえることになっているんだ。法律で決まっている分はもらわないと困る。」

それはそうだけれど、こっちだってずっと親の世話をしてお金もかかってるんだ。そういうときだけ「長男だから当たり前」っていうのはおかしくないか・・。

この後、この兄弟は家事調停をし、それでも決着がつかないため裁判となりました。

判決では法に基づいた二男の請求が認められ、長男は2,000万円を銀行で借りて現金で支払うことになりました。

結局、長男が得たものは、長い間住んできた古い農家住宅と、会社勤めしながらではとてもやりきれない広大な農地、どこまでが自分のところかわからない山林、そして代償金や相続税を支払うために借りた多額の借金です。

そればかりではなく、毎年固定資産税もかかってきます。

あと数年で定年を迎える長男、その後の収入の当てもなく、どうやって借金を返していったらいいのかわかりません。昔は我が家は裕福な土地持ちの大農家だったということですが、いまの自分は貧乏でしかありません。だからと言って、先祖代々受け継いできた土地を、自分の代で売ってしまっていいのか?

もし仮に売るとしても、農地や山林が売れるのか?こんな田んぼの真ん中じゃ、この宅地だって売れるかどうかわからない・・・。

自問自答は続きます。

 

では、こうならないためにはどうしたらよいのでしょうか?

 

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