不動産鑑定

土地持ち貧乏にならないために①

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「土地持ち貧乏」という言葉、一般に使われている言葉ではありませんが、聞けばなんとなく意味が分かりませんか?

土地は持っているのに貧乏。

なんとなく矛盾した言葉です。

そう感じるのは、土地持ち貧乏と対極にある「地主」という言葉が一般的だからです。

「地主」イコール「金持ち」

そんなイメージですよね。

でも今は、必ずしもそうではなく、むしろたくさんの土地を持っているのに苦しんでいる人が少なくない。

なぜでしょうか?

まず土地の価格の時系列的な変移を見ていきましょう。

ここでは、日本全体の大まかな動きを考慮しています。単純明快にするために、正確性は多少欠くかもしれませんが、ご容赦を。

まず、戦後の混乱期を脱し、いろいろな行政の仕組みが整備されたところで、昭和47年に田中角栄氏による列島改造論が出されます。

これによって、高速道路や新幹線がどんどん整備され、地方でもインフラが向上していきます。また人口も増加している時代で、オイルショックなどの減速要因はありましたが、基本的に日本は高度成長期に入っており、新しく家を求める人のためのニュータウンの造成が行われたりして土地の需要は堅調で、地価は年間数パーセントの上昇傾向にありました。

土地を持っているだけで、自分の保有資産の価値が増えていくのですから、そういう点においても土地需要はありました。つまり、将来に備えて買っておこうというわけです。わけのわからない別荘地も売れたりしました。

そして日本が経済的に力をつけていって、GDPが世界第二位となり、まぎれもない経済大国となった昭和60年、プラザ合意がなされます。

これは、円高の一方、内需拡大に誘導しようとした。金利を下げて、投資を増やそうとしたところ、そのお金は財テクというマネーゲームに使われてしまった。つまりバブルの発生です。ここからは地価はまさに鰻のぼり。年間に数十%の勢いで地価が上昇していきました。

国土利用法の監視区域などは全く役に立ちませんでした。より厳しい規制区域を導入すべきだったと思われますが、結局どの都道府県も及び腰でした。

土地は自分で使うというよりは、転売を目的とした投資(投機)の対象となりました。

その後、平成2年に不動産融資に対する総量規制が行われると、みるみる地価は下落していきます。バブル崩壊です。その後二十数年に渡って、地方では地価下落が続き、地価水準は昭和50年代後半のレベルまで下がってしまいました。それまで持っていた土地の価値があっという間に下がってしまいました。

その後は金融機関も含めて、バブルのマネーゲームに踊らされた人たちは、いわゆる不良債権処理に苦しむことになります。

しかし、これが土地持ちが貧乏になった原因かというと違います。

バブルの時に何もしなかった人たちも、土地持ち貧乏になっているのです。

問題はほかのところにあります。

その問題とは?

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