不動産運営

主要5区のビル空室率は改善、だが本格的な回復基調にあるかどうかの判断は慎重に

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(株)ビルディング企画の調査によると、2015年5月度の東京都の主要5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)オフィスビル空室状況が改善していることが明らかになりました。

主要5区のオフィスビル(階床面積100坪以上)の平均空室率は5.48%と前月に比べて0.17ポイント低下しており、若干ではありますが空室率の低下が起きています。これは手狭になったオフィスの拡張移転や館内増床を中心にオフィス移転が進んだためとみられますが、長引く需要低迷で主要5区のオフィスビルに空きが目立つようになりエリア外からの移転が進んだことも大きな要因の一つとみられています。

物件の入れ替わりが進むことで新たに生まれた二次空室に対する需要も底堅く、新たな需要喚起が起きることが期待されています。
空室率が最も改善されたのが1.07ポイント低下した渋谷区で、空室率は2.97%と大幅な改善がみられています。空室のうち4件に1件が埋まった計算になりますから、相当数の物件に入居者が見つかったことがわかります。
港区は0.18ポイントの改善で空室率は7.56%、完成した新築ビルへの大型の統合移転などが複数件行われたため空室利が改善されていますが、まだまだ空室率は高く余談の許さない状況が続いています。
中央は0.11ポイント低下の5.86%。目立った改善要因は見られませんが、底堅い需要と値ごろ感が幸いして空室率の低下が起きたとみられています。
新宿区は0.03ポイント上昇して空室率は4.34%。新築ビルへの移転が進みましたが、移転後に空室となったオフィスに二次募集がかけられたため数値的には若干の交代が発生しています。

賃料水準も上昇傾向にあり、 1坪当たりの推定成約賃料(基準階床面積100~300坪未満)は前月比180円増の1万7947円、9ヵ月連続して値上がりしています。調査対象となった主要5区全てで推定成約賃料はが値上がりしており、特に新規募集物件賃料は上昇が目立っています。

主要5区を対象にした調査では空室率の改善がみられておりオフィス需要の伸びが確認されていますが、この調査結果だけを見てオフィス需要の本格的な回復が起きているという判断は早計です。

一時期は都心の家賃の高さなどを理由に企業の分散志向が目立っていましたが、現在では逆に都心回帰の傾向が見られます。都心主要5区のオフィス需要は主要5区外のオフィス需要を食ったものである可能性が高く、周辺地域のオフィス空室率と比較したうえで調査結果を読み解かないと需要を大きく見誤ってしまう恐れがあります。

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