相続対策

化けた相続財産 その2

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相続財産が、相続発生後に大きく変わってしまうほかの例もあります。

こちらもレアケースではありますが、現実に起こった例です。

それは、相続した不動産が公共用地(道路)の買収予定地だった場合です。

そういった公共事業には、計画決定段階、事業決定段階がありまして、都市計画法上の事業であれば、公開された図面に予定地が明記されているのでわかりやすいのですが、県や市が行う事業は都市計画事業ではなく、整備事業の一部だったりするので、いつどうなるかわからない場合もあります。

都市計画事業の場合、家の建っている敷地が丸々道路用地になってしまう場合もありますが、道路整備の場合、拡幅の幅が現行の道路際より0.5mとか、1mとかで、買収されても大した収入にはなりません。

大きいのは建物の移転補償費です。建物が相当古くて、一部収去ができない場合には、建物全体を解体して、新しく作るための補償費が出ます。そうすると、現在の古い建物の評価額が百万円に満たなくても、補償費は数千万円ということがあります。

補償費を含めると、相続発生当時の評価額の倍以上になってしまい、法定相続分を請求していた兄弟は、内心大喜びです。しかも、補償費は現金で支払われるのですから、代償金がないとは言えない。

たまらないのは、建物を相続した方です。新しくなるんだからいいじゃないか、と考えるかもしれませんが、補償費は建物を解体し、再建築するために必要だと計算したお金です。法定相続分を分けてしまえば、その分資金が足りなくなります。

建て替える家を小さくするか、不足分について銀行で融資を受けるしかありません。

しかし、心情的には家を相続した人に同情しがちですが、法律では分ける分が決まっていますし、そもそも相続財産は、相続人みんなのもの、というのが法律の考え方です。

別れ際の長兄の言葉が寂しそうでした。

「せっかく親が残してくれたのに、こんなことになるんだったら、無い方がよかったなぁ。」

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