不動産鑑定

相続財産評価 登記面積(公簿)と実測面積で評価は1/7

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前回は地目の判定で評価額が大きく変わることを投稿しましたが、もう一つのキーワードとして「縄縮み」があります。

縄縮み、縄延びというのは専門用語ですが、要は登記されている面積と実際の面積が異なることです。登記面積よりも実際の面積が少ないのが縄縮み、多いのが縄延びです。

これはかつて縄を使って測量していたことに由来する言葉ですが、なんでそんなことが起こるかというと、まず当時の測量技術が未熟だったということが挙げられます。いまやGPSですが、当時は縄ですからね。

次に、わざと過少申告するという事もあったようです。測量した面積を何に使うかと言えば、税金の徴収ですから、多少でも税を逃れようとして、面積を小さめにするわけです。これが現在になって「縄延び」として把握されるのです。

で、今回の評価では登記面積よりも現況が小さい「縄縮み」が発生していました。これは地積測量図があったために明確にわかったことですが、公図と登記簿を見比べた瞬間に、まず気がつきました。地積が小さい筆の方が、公図上では大きい。それに、公簿地積と、地図が全く一致しない。そして地積測量図を取得して見てみると、やはりその通りでした。

以前の地積測量図は、元の筆から分筆するときに、分かれる方の筆だけを測量して、元の筆の面積は「残地面積」として単に差し引きしていました。

つまり公簿面積が3,000㎡となっている土地から、1,000㎡を分けるときは、1,000㎡分だけを測量して、残りは3,000-1,000=2,000㎡とするだけで、その2,000㎡については測量しません。地積測量図には「残地面積2,000㎡」と記載されるだけです。ですから、残りが本当に2,000㎡なのかどうかはわかりません。これを繰り返していると、大本の筆は縄延び・縄縮みの誤差を全て引き受けることになります。

今回は、公簿面積が約7,000㎡ありましたが、残地面積となっていました。そして、一番最後に分筆した地積測量図で、その筆の面積を机上計算してみると、なんと1,000㎡にもなりません。地積測量図は現況とほぼ一致していたので、残地面積も実際には7,000㎡ではなくて1,000㎡未満ということになります。

評価において数量は非常に重要ですから、これについてはしっかり減価対象とさせて頂きました。従って、評価額は公簿面積で計算した場合の1/7です。金額に直すと、数千万円評価が低くなったことになります。

担当税理士さんは、公簿面積で計算していました。そのやり方は間違いではありません。

しかし、実際に税金を払うのは依頼者です。

「鑑定評価は高いから」といって、最初から排除せずに、費用対効果を考えてみませんか?

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