不動産鑑定

曳き舞現場の見学

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「曳き舞(ひきまい)」ってご存知ですか?
簡単に言うと、建物を解体せずにそのまま違う場所に移動することです。
普通の住宅ではやりませんが、歴史的建造物など、建物の建築自体に価値があるものでやることがあります。
新築現場というのは街を歩いていれば見かけますが、曳き舞の現場というのは、なかなかお目にかかれませんし、ちょっと興味があります。
今日は、知り合いの建築会社の社長が「蔵」の曳き舞をやるという話をしていたので、お願いして見学させていただきました。
場所は区画整理事業地内。農家住宅の蔵を仮換地先に移動するのです。
区画整理工事中のため、あちこちの道路が閉鎖され、現場の近くまで来ているはずなのになかなかたどりつけません。行ったり来たり、遠回りして、ようやく到着。
曳き舞convert_20100401163826
「蔵」といっても、土蔵ではなく、農家に多い大谷石造りの蔵です。たかだか農家の蔵で曳き舞をするのか、と思われるかもしれませんが、現在の建築基準法では、同じものは建てられません。ですから農家のおやじさん、そのまま持っていきたかったんでしょう。
この大谷石の蔵を1.3km先の仮換地までこのまま移動させるのです。しかも、その間には1mくらいの段差が何箇所かあり、ゆるい下り傾斜になっています。
なぜこの作業が難しいかというと、昔ながらの大谷石造りの蔵というのは、単に大谷石を積んで、その隙間にモルタルを詰めて固定しているだけだからです。鉄筋が入っているわけでもありませんし、柱や梁も有りません。つまり、積み木を水性の糊でくっつけたような建物をそのまま移動するようなものなのです。(だから現在の建築基準法では再建築できないんですけど)
ですから、うまくやらないとバラバラになってしまいます。
さらに大谷石は加工しやすい半面、もろくて柔らかいので、余計な力が加わると割れたりしてしまいます。
傾斜や段差があるということは、歪む可能性があるわけで、そこにも危険が潜んでいます。
これはそうとう慎重にやらなければなりません。
木造家屋であれば、多少木材がたわみを吸収するので、比較的簡単かもしれません。
曳き舞convert_20100401164132
基礎から上の部分だけの移動です。H型鋼を根石の上部に通して、神輿の台のようなものを作り、それをコロを使って移動させていくそうです。
基礎ごと動かした方が壊れなさそうですが、そうはいかないらしいです。
そして蔵の重さは約220トンだとか・・・。
曳き舞convert_20100401164242
窓は建具を外して、角材で補強。大丈夫なのか?と心配になるのは素人なんでしょう。
工期は約1カ月半かかるそうですが、今日の段階では、建物の下にH型鋼を通して、移動の道筋を確保するための土工事が始まったところでした。
次には移動しているところを見てみたいです。
社長、ありがとうございました。
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コメント

  1. MUTSUMI より:

    SECRET: 0
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    こういう作業をすることがあること自体は知ってましたが、「曳き舞」という言葉も知りませんでした。貴重な写真&お話、ありがとうございます。

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