不動産鑑定

人の力、自然の力

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ちょっと前の評価ですが、その物件は栃木県北部の山の中、「急傾斜崩壊危険区域」の指定がある急な崖の下にありました。
所有者の方に、そのことで何か危険を感じたことはないか尋ねてみました。
すると、以前はその崖は木が生い茂っていて、秋になると落ち葉がたくさん落ちてくるくらいで、そんなに危険を感じたり不便に思ったりすることはなかったそうです。
そして数年前に、崖のところを網状のコンクリートで防災工事、つまり崖崩れが起こらないようにする工事をしたらしいです。
ところがその後、雨が降ったり、雪が積もったりするたびに、床から水が浸みてくるという現象に悩まされるようになったということでした。
外観上は、床に張ってあるビニールシートが剥がれて浮いてしまったり、土間コンクリートにひびが入ったりというのが見られたのですが、見えない建物の基礎などは間違いなく損傷を受けていると思われます。
結果的に、工事をしたのとしなかったのでは、どちらが良かったのかわかりません。
工事をしなかったら、崖が崩れていたかもしれないわけですしね。
ただ、自然の力である保水力をそいでしまったのは間違いありません。
このケースに限らず、宅地造成をしたら洪水が起きたとか、井戸水が枯れてしまったという話は良くあります。
これは人間が一生懸命考えてやる以上に、自然ははるかに奥深い力を持っているということがいえます。計算だけで自然に逆らって何かしても、人間の力はあまりに小さく、
なめてかかると、とんでもないしっぺ返しを食らうことになるでしょう。
これからは、土地をいじる場合には自然とどうやって共生していくかという視点が重要なのだと思われます。
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